DATA:J−509−20 ハイレッグホーン(酉型)
全長:14.4m 全高:12.0m
重量:21.5t 最高速度:240km
装備:クレストレーダー レーザー測距離装置 IRST(赤外線捜索・追跡機材) 突撃用防護プロテクター 対ゾイド四連装ミサイルランチャー×1 23mmガトリングビーム砲×1 レーザーブレード×2 加速用ブースター ストライクスパイク×2
機体説明:鳥型のゾイドは、その構造上の脆さから、軍用に利用し難いゾイドと、言われている。過去のペガサロスにしろグライドラーにしろ、原型を想像し難い程の改造を経て、ようやく利用できるという有様で、同クラスの小型ゾイドの中でも、製造にはコストがかかり過ぎる事から、やがて各国は、そのまま利用可能な、頑丈な翼竜型ゾイドを、ベースに選ぶようになっていった。(鳥型の中では、シュトルヒはもっとも成功した例であろうが、これは元の野生体が優れていたとも言えるし、少なからずシュトルヒの野生体には、恐竜型ゾイドの遺伝子が、影響しているとも考えられている。) ジェニーインダストリーによって試作されたこのゾイドは、そんな鳥型ゾイドをベースにした物ではあるが、実は、空戦型のゾイドではない。 時は、西方大陸戦争が始まった頃。 帝国に劣勢を強いられていた共和国は、兵力の確保に追われていた。そんな中で、首脳部は、あらゆる試みを行っており、その一つとして上がってきたのが、このゾイドの試作である。 このハイレッグホーンの元となった野生体ゾイドは、鳥型にして、陸上生活を選んだ種であり、空を飛ぶことは出来ない物の、頑丈さでは、従来の鳥型ゾイドの比ではないという調査報告が出ていた。但し、これは鳥型ゾイドの中での事であり、他のゾイドと比べての事ではない。 しかし、安易にこの調査報告に飛び付いた共和国首脳部は、このゾイドを用いた試作型の開発を決定した。当初は、軍部が担当する事になってはいたが、体力的に余裕の無かった当時の共和国陸軍は、民間への発注を決定する。そこで依頼をまかされたのが、ジェニーインダストリーであった。 最初、この依頼をされた時、ジェニーインダストリーのマーク・デボンス社長は、眉間に強く皺は寄せたが、文句一つこぼさずに、承諾したという。 明らかに、採用の可能性の低いこのゾイドの試作依頼を受けたのは、デボンス社長が、軍、しいては首脳部に、恩を売る事が出来るという、目論見があっての事だと言われている。 むしろ、この試作依頼を聞いて困惑したのは、開発スタッフの方であった。ゾイド開発は、少なからずリスクを負う物であるが、この様な、安易に決定したゾイドの開発は、まず、上手く行かない事を、経験上、彼らも知っていた。が、開発チームの一つ、ライトワークス、ホス・ギブソンの「面白そうだ。」の一言で、開発はスタートする。 軍部から要求されていた試作依頼は、「陸戦ゾイドとして第一線級の戦闘力を持つゾイド」という、漠然とした、それでいて投げやりなもの(責任が他人事となった事で、如何に期待していなかったかが分かる一文でもある。)であったが、更にデボンス社長は、これに「コストを抑える事。」という一文を付け加えた。 無論、デボンス社長も、このゾイドの採用を、本気で考えていた訳ではないので、社員達の技術向上の狙いも、あったと思われる。 こうして始まった試作開発であるが、誰もが予想していた通り、困難の連続であったという。 鳥型ゾイドの中でも頑丈と言っても、他の陸戦ゾイドの列に入れると、それは最低ラインギリギリに入る程度であり、決して第一線級とは、呼べる物ではなかった。 しかし、スタッフの努力により、約10ヶ月後には、その試作型を、完成させてみせたという。 野生体がそのまま持つ、特徴的な脚部の鋭利な爪を、格闘用に残してもいたので、スタッフ達は、愛称と帝国への皮肉を込めて、「ハイレッグホーン」と呼んでいたという。 性能も高く、テストにおいても、第一線級の戦闘力を、軍関係者に見せつけて、驚かせた。 特に、尾羽に増設された、加速ブースターを持って得られる最高速度は、240kmにも及び、意外と高い機動性を発揮している。また、装甲を兼ねているウイングは、元の野生体自体の羽が、機能を失なっている為、空を飛ぶことは、全く出来ないものの、高速走行時には、機体の安定と、運動性能アップを両立させるのに、役立っている。そのウイングに取り付けられているレーザーブレードは、小型ゾイドとしては強力な格闘武器に入り、最高速と合わさって、ハイレッグホーンに、強力な高速戦闘能力を与えている。 そのレーザーブレード、試作機故でもあったのだが、業社の発注ミスにより、左右で形状が違うものが来たが、やり直しのコストと、時間に余裕が無かった為、そのまま取り付けられた。 火器は、機体バランスの関係上、背部に装備されたガトリングビーム砲とAZMランチャーだけである。ガトリングビーム砲は、23mmと口径が小さいが、一発一発の打撃力はかなり強力である。しかし、これもどちらかと言えば、同クラス、もしくは対歩兵用武器であるので、大型、中型クラスのゾイドに関しては、対ゾイドミサイルか、レーザーブレードしか、対抗できる武器がない。 機体前部に装備されている突撃用防護プロテクターは、当初Eシールドジェネレーターを搭載予定であったが、コストと開発の遅れから、特殊素材の装甲が、ダミーとして取り付けられている。が、テストの結果から、ハイレッグホーンのゾイドコア出力では、コンバットモード時には、ガトリングビーム砲やレーザーブレードと併用しては、Eシールドジェネレーターは使用できないことが分かったので、もし正式に採用されたとしても、そのままであった可能性がある。 このハイレッグホーン、クレストレーダーをはじめ、レーザー測距離装置など、センサー類が充実しているが、そう言った機器を、主に生産しているジェニーインダストリーの特徴がよく出ているゾイドでもある。 このように、鳥型ゾイドにしては、高い陸戦能力を発揮したハイレッグホーンではあったが、やはりこのゾイドが、正式に採用される事は、無かった。 何故なら、第一線級の戦闘力を持たせるために、構造の補強を行った結果、結局コストが跳ね上がり、製造するとなると、同じ小型ゾイドの平均よりも、1.8倍強ものコストが、かかるからである。 また、デボンス社長の要求に応えるべく、スタッフがギリギリにコストを抑える試みをした結果、機体バランスとの問題もあって、火器類の装備が、背部のみに限られており、拡張性が低く、同じレベルの小型ゾイドと比べても、装備搭載量などでも、かなり劣っていた。 試作のみで終わったハイレッグホーンだが、その姿は、ジェニーインダストリー本社正面玄関に、見ることが出来る。これは、デボンス社長の技術者達への嫌みであり、また戒めであるとも言われるが、氏は、この事については、一切言及していない。
制作者より:酷い駄作です。コイツのお陰で、管理人、暫く何もやる気が起きませんでした。2005年早々、散々な目に遭いました。 大抵の場合、管理人が作るゾイドは、途中からイメージしていた物と、違う方向に行ったり、作っている最中に、「駄目だコリャ。」とか、「疲れた。」「嫌だぁ。」とか思いながら、やっている物ですから、完成してみると、意外に良くできたと、満足してきました。 しかし、今回のこのゾイドは、初めから終わりまで、イメージした通りの物が出来上がった物の、実は、イメージに100%近い物ほど、出来上がると大した事無いという現実に、打ちのめされました。 まるで、今まで、通り過ぎるだけのレストランで、ディスプレイされている美味しそうな料理を、いざ食べてみると、全然不味かったという結果の様です(分かり難いですか。)。 コイツを企画したのが、12月に入った頃。その年の干支にちなんで、扉絵を飾ろうと思って作り始めたのですが、作っている最中は、夢を見ているか、魔法にかけられているかの様で、全然、その酷さに気づきもしませんでした。まあ、夢から覚めてみると、現実が待っていた分けでして・・・・・・。いやもう、コイツのお陰で、自分の部屋にも戻りたくないほど、やる気メーターが、マイナスを指してました(気付かなかっただけで、下手すると、鬱に入りかけていたのかも・・・。趣味でストレス溜まるって、どういう事?)。 えー、キットの方は、ゴドスをベースに、0.5mmプラバンで作ったパーツを、くっつけていっただけです。特に難しい作業は無かったのですが、試作段階で動いていたのが、塗装したり、その他の部品を全部付けたら、自力での歩行は、無理っぽくなってしまいました(床を叩くなどして、衝撃与えると、何とか歩く。)。ガトリングビーム砲も、作っている最中に、何度か試した時は、割とクルクルと回った物の、完成後は、微妙です。色の方も、今見てみると、もう少し白っぽかった方が、良かったのではないかと、後悔しています(作っている時は、軍用試作機なので、これで雰囲気が出ると盛り上がっていたのですが。)名前の方は、昔、祭りで買ったヒヨコの種類が、白色レグホンとかいう鶏だったのを思い出したので、それらしくして付けてみました。 何度も、壁に叩き付けて、破壊してやろうかとも思いましたが、かかった資金と時間、苦労が思い出されて、取り敢えず踏みとどまっています。 本当に、酷い物作っちゃったよ(泣)。 |